モザイク胚から生まれたお子さんに染色体異常を持つ細胞が残っている可能性はほとんどないと考えられます。
ましてや生殖細胞にだけ残っていることもないでしょう。
自然妊娠でも生殖細胞にのみ染色体異常を持つ生殖細胞系列のモザイクという現象がごくまれにあることは知られています。
自然での生殖細胞系列のモザイク発生確率と、モザイク胚を移植した場合の発生確率は変わらないと考えて大丈夫です。
モザイク胚から生まれたお子さんに染色体異常を持つ細胞が残っている可能性はほとんどないと考えられます。
ましてや生殖細胞にだけ残っていることもないでしょう。
自然妊娠でも生殖細胞にのみ染色体異常を持つ生殖細胞系列のモザイクという現象がごくまれにあることは知られています。
自然での生殖細胞系列のモザイク発生確率と、モザイク胚を移植した場合の発生確率は変わらないと考えて大丈夫です。
まだモザイク胚が移植されるようになってから時間があまりたっていないので、生まれた赤ちゃんの追跡研究は十分にはできていません。
しかし、モザイク胚から赤ちゃんが生まれることは自然妊娠でも普通に起きている事象だと考えられます。
妊娠期間中、出産後も特に問題がないのであれば、お子さんにモザイク由来の染色体異常細胞が残っている可能性はほぼないと考えていただいて大丈夫です。
モザイク胚から生まれたから特に心配しなければならないことはありません。
やっと見つかった大切な胚を移植する前には、着床不全、不育症など十分に検査をしたうえで、万全な体制で移植されることをお勧めします。
43歳の方でしたら胚盤胞の染色体異常率は80%以上となりますので、PGT-Aで流産を防げる可能性は十分あると考えます。
移植可能な胚を見つけるのは難しいかもしれませんが、移植する必要のない胚の移植を避けることで、時間を大切に使える可能性はあります。
35歳の方ですと、流産の原因が染色体の数的異常ではない可能性も十分あります。
他の要因がないか、カップルの染色体検査を含めて不育症などの検査を先になさることをお勧めします。
再度流産をするようなことがありましたら、赤ちゃんの染色体検査をされることをお勧めします。
もし、流産した赤ちゃんに染色体の異常が見つかれば、PGTで同じ流産を繰り返すことを避けることは可能です。
35歳の方ですと通常胚盤胞の70%くらいは染色体正倍数性だと考えられますので、原因はほかにある可能性が有ります。
PGT-Aよりは不育症、着床不全などの検査を先にしてみるのが良いかもしれません。
それでもうまくいかない場合にはPGT-Aを受けて、少なくとも染色体の数は正常な胚を移植してみたらどうなるかと確認することも役に立つかもしれません。
年齢的には染色体の数的異常胚の割合は高いです。
PGT-Aで移植回数や流産の可能性を減らすことで精神的、身体的負担を減らすことができる可能性が高いです。
何歳になっても正倍数性胚が見つからないと断言することはできません。しかし、染色体の数的異常の出方を見るとどのくらい難しいかの指標になる可能性はあります。
1か所あるいは2か所の数的異常が認められる胚が混ざっているうちは正倍数胚が見つかる可能性も十分あります。
どの胚も3か所、4か所以上の数的異常があるという場合はかなり難しいという事になります。
ただし、何個調べれば正倍数性胚が見つかるかという予想はできません。
世界中で多くのモザイクが移植されていますが、今のところ生まれた赤ちゃんに病気があったという報告はごくわずかです。大部分のモザイクは移植して着床し、育てば、元気なお子さんが生まれる可能性は十分にあります。しかし、安全度を考慮して移植の優先順位を考えることは大切です。遺伝の専門家に相談なさることをお勧めします。
モザイク率の高いもの(検査した細胞の中に染色体の数的異常を持つ細胞の割合が多いもの)。病気をもって生まれてくる可能性が知られている染色体異常や、流産した胎児の中に多い染色体異常が関わっているもの。
複数の胚のPGT-Aをした時に、何個かの胚でいつも同じ染色体の同じ位置に染色体量の増減がみられ、「カップルのどちらかが転座保因者であることが疑われます。ご夫妻に染色体検査を受けていただくことをお勧めします。」との結果が返ってくる場合があります。
PGT-Aを受けたことで転座保因者であったという思いもかけなかった事実が判明してしまうことがあり得ます。
転座にかかわる染色体の位置によってはPGT-SRで染色体の量の増減のない胚を選ぶだけでは症状のあるお子さんの出生を防げない場合があります。PGT-SRを受ける前には遺伝の専門家に相談をしていただくことが重要です。
転座を持っている方の場合、転座由来の染色体のアンバランスに加えて、年齢に応じて増加する染色体の数的異常もあります。
転座のない方と比べると移植可能な胚の割合が少ない可能性があります。
染色体の数的異常の確率が低い、なるべく若いうちにPGT-SRを受けることをお勧めします。
また、2人目、3人目のお子さんまで考えるのであれば、若いうちに複数の移植可能胚を確保されることをお勧めします。
必ずしもPGT-SRを受けるのが良いとは言えません。転座保因者の方が生まれるときに突然転座が起きたという場合もありますが、先祖のどなたかで転座が起こり、代々受け継がれてきたという場合も多いです。つまり、体外受精もPGT-SRもなかった時代から子供が無事に生まれてきたという事です。ですので、普通に妊娠出産できる可能性も十分あります。
ただし、転座の状況によっては、なかなか妊娠できなかったり、流産を繰り返したり、親族に転座由来の染色体のアンバランスを持つ障害のある方が生まれていたり、という事が起こっている場合もあります。そのような場合には、PGT-SR受けて負担を軽減することは有効な選択肢となりうると考えます。
通常ヒトの体の細胞の核の中には1番から22番までの常染色体各2本とXとYの2種類の性染色体がXX、XYどちらかの組み合わせで2本、合計23対46本の染色体が存在します。
各染色体は個々に独立して存在するのですが、中には別々の番号の染色体同士の間で一部交換した状態で持っている方がいます。位置が入れ替わっているのですが、トータルの染色体(遺伝子)の量は通常と変わらないので、その方自身の健康には何の影響もありません。そのような状況の方を転座保因者といいます。
はい。卵子のもととなる細胞は女性がお母さんのおなかの中にいる胎児の時期に出来ます。
その時点ですでに卵子を作る第一減数分裂の中期にまで発生が進んでいて、染色体同士が結びついた状態で排卵時までずっと保存されています。
そして、排卵時になると止まっていた減数分裂が再開されて卵子が出来ていくのです。
つまり、生理が始まる年齢まででさえ12~15年、40歳なら40年、染色体同士が結びついた状態で保存されているという事になります。
時間が経つと染色体同士を結び付けているたんぱく質が劣化して染色体同士が離れてしまい、排卵時に再開された減数分裂の後半で染色体がばらばらに勝手な動きをしてしまう。
この染色体の勝手な動きが、卵子の染色体の数的異常の原因となります。
保存期間が長いほど、女性の年齢が上がるほど、卵子の染色体の数的異常は増えてしまうというしくみです。
多くのモザイク胚は受精した時点では染色体正常胚です。その後、細胞分裂を繰り返して成長していく過程で、一部の細胞に染色体の分け間違いが起こるのが原因です。
分け間違いを起こした細胞の子孫の細胞も染色体異数性細胞として増えていき、正常細胞と一緒にモザイク胚を作っていきます。
PGTをすれば病気の子が生まれなくなるという事はありません。病気をもって生まれてくるお子さんの確率はPGTを受けない場合とほぼ同じです。
PGT-Aを受ければ、染色体の数の異常が原因の病気(例えば、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)を避けることはできる可能性は高いですが、大部分の病気はPGTでは検査できません。
体外受精(IVF)をしたが出産に至らなかったという場合、IVFを続けるのならば、PGT-Aを受けることで移植後妊娠できない、妊娠しても流産をするなどの負担を軽減できる可能性があります。
また、カップルが転座保因者である場合には流産、死産、病気のお子さんが生まれる可能性を減らせる場合が多いです。
基本的には大丈夫です。モザイク胚は元気な赤ちゃんが育つ可能性が十分ある胚だと言えます。ただし、個々のモザイクの状況により安全度、着床する可能性などに差がありますので、専門家に一緒に考えてもらってください。
現在のところPGTを受ける場合は保険治療の対象とはなりません。保険の治療と自費治療を同時に行う混合診療(保険診療と保険外診療の併用)は禁じられているからです。
このため現在保険診療で行われている誘発開始から移植までの体外受精の費用もすべて自費となります。加えて胚盤胞1個当たり7万円~11万円ほどのPGT検査費用が必要となります。
一部先進医療としてPGT-Aを行っている施設では保険診療との併用が可能です。
PGT検査は日本産科婦人科学会が認定した施設で、学会の決めた条件を満たす患者さんに行われています。2026年8月14日現在 PGT-A 270、PGT-SR 236、PGT-M 39施設が認定されています。
こちらでご確認ください。
施設検索 - 公益社団法人 日本産科婦人科学会 uk-margin-removePGTを受けることで、出産に至る可能性が下がることがあり得ます。
原因としては胚盤胞から細胞を採取することで胚がダメージを受け着床しやすさが下がる可能性、誤診(正倍数性胚を異常胚と判定してしまう)や、モザイク胚(正常な染色体を持つ細胞と異常な染色体を持つ細胞が混ざりあっている胚)の移植を避けることにより、本来生まれる可能性のある胚が排除されてしまうことなどが考えられています。
染色体の数的異常を有する胚を移植する前の段階で見つけて、移植を避けることにより、着床しやすい胚、流産する可能性の低い胚を選んで移植することが可能となります。
そのことにより移植後の着床の不成功、着床後の流産を減らすことができます。
結果的に患者さんの身体的、精神的負担を減らすことができます。
出産までの治療期間が短縮できる可能性もあります。
受精後5日~6日目に胚盤胞まで育った胚の将来胎盤になる栄養外胚葉と呼ばれる部分から5~10個細胞を採取し、そこから抽出したDNAを次世代シークエンサーなどの機器を用いて検査し、染色体の量の増減や遺伝子に病気の原因となりうる変化の有無を調べます。
PGT検査は日本産科婦人科学会の決めた条件を満たす患者さんに行われています。
検査の対象
①PGT-A
反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦反復する死流産の既往を有する不育症の夫婦
2025年9月からは女性の年齢がおおむね35歳以上の高齢のカップル(夫婦)も対象となりました。
② PGT-SR
夫婦いずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている不育症(もしくは不妊症)の夫婦
③PGT-M
夫婦の両者またはいずれかが,重篤な遺伝性疾患児が出生する可能性のある遺伝子変異または染色体異常を保因する場合に日本産科婦人科学会による厳正な審査を経て行われる。
PGTは以下の3種類に分類されます。
① PGT-A(着床前胚染色体異数性検査:Preimplantation genetic testing for aneuploidy)
女性の年齢の上昇につれて増える染色体の異数性を調べる検査
②PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査:Preimplantation genetic testing for
Structural Rearrangement)
カップルのどちらかが転座、逆位などの染色体の構造異常の保因者である場合に起こる染色体の部分的不均衡を調べる検査
③PGT-M(着床前胚染色体異数性検査:Preimplantation genetic testing for
Monogenic/Single gene defect)
夫婦の両者またはいずれかが,重篤な遺伝性疾患児が出生する可能性のある遺伝子変異または染色体異常を保因する場合に重篤な症状を持つ児の出生を避ける目的で行われる検査
卵子と精子が出会い受精したのち発生が進むと胚と呼ばれるようになります。PGT(着床前遺伝学的検査 Preimplantation genetic test)は体外受精治療の際、胚を子宮に移植する前に、胚の遺伝子や染色体を調べ、妊娠継続しやすい胚や、病気を発症する可能性のない胚を選ぶという検査です。
モザイク胚から生まれたお子さんに染色体異常を持つ細胞が残っている可能性はほとんどないと考えられます。 ましてや生殖細胞にだけ残っていることもないでしょう。 自然妊娠でも生殖細胞にのみ染色体異常を持つ生殖細胞系列のモザイクという現象がごくまれにあることは知られています。 自然での ...