自己紹介

オンライン遺伝カウンセリングルームジーヌ代表。日本で唯一認定遺伝カウンセラーと生殖医療診断士、両方の資格を持つカウンセラーです。長年不妊治療クリニックで遺伝カウンセラーとして多くの患者様の相談をお受けしました。 現在は、不妊治療患者さんのためのオンラインカウンセリングルームジーヌを主宰しています。 特に、PGT-A・PGT-SR検査に関しては、日本産科婦人科学会の認定制度の発足以前より、PGTを希望されるカップル(ご夫妻)延べ5,000組、10,000名にカウンセリング、さらに、PGTの結果として検出されるモザイク胚の移植についての相談も1000件以上受け、多くの健康なお子さんの誕生のお手伝いをさせていただいております。

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2024/05/19

35歳を過ぎたら専門家に相談して妊娠出産への道筋の効率化を

 

「不妊治療は思い立ったら即行動を」の稿で妊娠の適齢期は25歳から35歳と言いました。

図1.は20~24歳を100%とした場合の妊孕性(妊娠する力)の低下を示すグラフです(日本生殖医学会ホームページより)。自然妊娠のしやすさを示します。

図2.の緑の線は体外受精治療後の出産率を示しています(日本産科婦人科学会ARTデータ)。35歳では出産率が約20%ですが、35歳を過ぎると急激に下がっていく。35歳を過ぎると体外受精治療をしても妊娠は難しくなるという事がおわかりいただけると思います。

 

図1.女性の年齢と妊孕力の変化

図2.体外受精後の妊娠率・生産率・流産率 2021

35歳を過ぎて結婚した、あるいはそろそろ子供が欲しいと考えた、という場合に、まず自然妊娠で様子を見ようと自己判断で時間を使ってしまうのは非常に危険です。専門家に相談し、確認のための検査などを受けたうえで、自身にあった計画を立て、専門家に伴走してもらい、経過を見極めながらステップアップして、出産というゴールまでパートナーと二人でたどり着く、妊娠計画の効率化をお勧めします。


2024/05/10

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査を知ってますか?

 

不妊治療の方針を決めるときに自分の卵巣の状態を知ることは重要ですね。

卵子のもとの細胞は女性が胎児のときに一生分が作られます。妊娠5~6か月では700万個ほどあるのですが、出生時には200万個、その後は一方的に数が減っていき月経がはじまるころにはすでに20~30万個、閉経時にはほぼ0です。卵子の質はともかく、数が減るので年齢が高くなると妊娠は難しくなります。また、数の減り方は個人差も大きいです。

卵巣の状況を知るうえで一つの目安になるのがAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値です。

卵巣の中では保存されている卵子のもとの細胞の中から毎月500~1000個が発育を始めます。その中から、2か月後の生理の頃に5~10個が4~7㎜の大きさの卵胞にまで育ち、FSH(卵胞ホルモン)やLH(排卵誘発ホルモン)の刺激を受けることができるようになります。そして2週間後に1つ排卵されるのです。

AMHは発育初期の卵胞が分泌しているホルモンで、育ち始めている卵胞の数の目安となるホルモンです。たくさんの卵胞が育ち始めていればたくさん分泌され、少ししか育ち始めていなければ、AMHの値は低いということになります。

AMHの値が高い場合は排卵がうまくいきにくい多嚢胞性卵巣症候群の可能性を考える必要がありますし、低いと卵巣機能の低下の心配もあります。体外受精を行う場合には、誘発方法の選択の目安としても用います。

AMHの値によって、治療を急ぐ必要があるのか、一度にたくさん採卵することは難しいのかなど予想することも可能です。

自身の治療の見通しを立てるうえで大きな役割を果たすAMHの測定をしてもらうことは大切ですね。

2024/04/23

不妊治療は思い立ったら即行動を

 

日本では40%の夫婦が不妊を心配したことがあり、4組に1組の夫婦が不妊治療を受けています。

なぜこんなにも多くの夫婦が治療を受けなければならないのでしょうか? 大きな要因は出産を希望する方の年齢が高いということです。

女性の妊娠適齢期は25歳から35歳です。その年齢を過ぎると何らかの補助が必要になります。不妊治療の成功率は年齢に伴って低下していきます。どんなにお金をかけて高度な治療を受けても40歳以上の方の治療成功率は10%以下です。

1日でも早く行動を起こすことが大切です。

「私は見た目も若い、体力もあり健康に自信があるから体はきっと若いはず」と話される方がいますが、自然の準備した人生のプログラムを覆すことはできません。残念ながら、妊娠力は年齢相当です。

ですから、躊躇している余裕はないです。年齢がまだ若いからとか、健康だから大丈夫なはずと行動を起こさないでいると、いざ出産しようと思ったときには間に合わなくなっている可能性ありますよ。

年齢が高くなっていざ検査したら問題が見つかったとなっても、有効な選択肢は限られてしまいます。まず、何らかの妊娠しにくい要因はないのか夫婦で検査だけでも受けてみましょう。何か見つかれば、それに対応する手段を考える必要があるし、特に何もなければ年齢相当の時間的余裕はあるということがわかりますね。

ただし、妊娠出産は計画通りにはいかない、実際に出産できて初めてうまくいったといえるものだと考えていただくことは重要です。

卵子や受精卵を凍結したから大丈夫という保証は全くありません。「子供は複数欲しいので、まず受精卵を確保したいです。何個染色体正常胚を凍結すれば2人目まで出産できますか?」という質問をよく受けます。「何が原因で妊娠できないのかはわかりません。いくつ保存しておいても一つもうまくいかないこともあります。予定は立ちません。まず一人目を目指しましょう。」とお答えしています。

自身が治療を受けてみて、自身の結果を見ながら次の選択を考えていくことは大切です。

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