事前IVF不成功経験のある患者さん702名の、PGT-A受検前後の経過を比較しました。
PGT-A前後で平均採卵回数に差はありませんでした。
PGT-Aを行うと胚盤胞まで育っても、PGT-Aの結果移植可能胚が見つからないということが起こります。年齢が上がるにつれて移植胚が見つからず移植できずに治療終結する患者さんの割合は増加します。42歳以上の患者さんでは138人中22人(15.9%)の患者さんのみ移植することが出来ました。
移植した患者さんの平均移植回数です。PGT-A後の平均移植回数は1.2回、年齢によって差はありません。移植を繰り返すということは無くなりました。
702名中428名がPGT-A受験前は流産を繰り返していたのですが、PGT-A受検後流産した患者さんは28名、流産をした患者さんの平均流産回数は1.14回。流産はほぼ防ぐことが出来ています。
IVFを行い、移植の不成功、流産を繰り返した出産経験のない702名の患者さんが、PGT-Aを受検した結果、4年間に251名(35.8%)が出産することが出来ています。
考察
同一の患者さんのPGT-A受検前後の経過を比較できたということは貴重なデータと言えます。
平均採卵回数に違いはないですが、移植回数、流産回数を有意に減らせたということは明らかで、患者さんの負担は軽減されています。
出産経験のない多くの患者さんが出産できているのは事実ですが、これはPGT-Aを行ったから出産できたのだと考える根拠にはならないと考えます。PGT-Aを行わなくても治療継続することで出産できた可能性も十分あります。また、PGT-A受検前の治療経過、期間等については採卵回数、移植回数、流産回数以外は把握できていませんので、出産にかかわるPGT-Aの影響を検討することはできません。
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