不妊治療の方針を決めるときに自分の卵巣の状態を知ることは重要ですね。
卵子のもとの細胞は女性が胎児のときに一生分が作られます。妊娠5~6か月では700万個ほどあるのですが、出生時には200万個、その後は一方的に数が減っていき月経がはじまるころにはすでに20~30万個、閉経時にはほぼ0です。卵子の質はともかく、数が減るので年齢が高くなると妊娠は難しくなります。また、数の減り方は個人差も大きいです。
卵巣の状況を知るうえで一つの目安になるのがAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値です。
卵巣の中では保存されている卵子のもとの細胞の中から毎月500~1000個が発育を始めます。その中から、2か月後の生理の頃に5~10個が4~7㎜の大きさの卵胞にまで育ち、FSH(卵胞ホルモン)やLH(排卵誘発ホルモン)の刺激を受けることができるようになります。そして2週間後に1つ排卵されるのです。
AMHは発育初期の卵胞が分泌しているホルモンで、育ち始めている卵胞の数の目安となるホルモンです。たくさんの卵胞が育ち始めていればたくさん分泌され、少ししか育ち始めていなければ、AMHの値は低いということになります。
AMHの値が高い場合は排卵がうまくいきにくい多嚢胞性卵巣症候群の可能性を考える必要がありますし、低いと卵巣機能の低下の心配もあります。体外受精を行う場合には、誘発方法の選択の目安としても用います。
AMHの値によって、治療を急ぐ必要があるのか、一度にたくさん採卵することは難しいのかなど予想することも可能です。
自身の治療の見通しを立てるうえで大きな役割を果たすAMHの測定をしてもらうことは大切ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿